位相群の定義と少しの例

位相群

$G$ を群とする. 加えて $G$ が位相空間であり、次を満たすときに$G$は位相群とよばれる:

1. $G$は位相空間としてハウスドルフ空間である.
2. 次の2つの写像がそれぞれ連続: $$(1)\quad G \times G \rightarrow G;\ (x,y) \mapsto x \circ y $$ $$(2)\quad G \rightarrow G;\ x \mapsto x^{-1} $$ ここで$G \times G$は直積位相で考えており、$\circ$は群の演算を表している.

位相群の幾つかの例

実数空間 $\mathbb{R}$

・ $\mathbb{R}$は加法"$+$"に関して群になっている.
・ また$\mathbb{R}$はユークリッド距離から自然に導かれる位相を持ち、ハウスドルフ空間である.
・ 残るは位相群の定義 2(1),(2) を確認する必要がある.

$n$次一般線形群 $GL(n,\mathbb{R}) = \{ A:\text{実$n$次正方行列} \mid \rm{det}~A \neq 0 \}$

簡単のために$n=2$で考えることにする. 一般の場合も同じ. ・ $GL(n,\mathbb{R})$は行列の積に関して群になっている.
・ 写像 $f:GL(2,\mathbb{R}) \rightarrow \mathbb{R}^{4} ~;~ A = [a_{ij}]_{1 \leq i,j \leq 2} \mapsto (a_{11},a_{12},a_{21},a_{22})$
・ 残るは位相群の定義 2(1),(2) を確認する必要がある.